2010年02月05日

木のおはなし

日本の木を使うことは日本の森を守ること

森

木を切ったら木や森が可哀想!!と思っていらっしゃる方、いませんか?

もともと人間が何も手を加えずに自然に森になった(原生林)は、まさにその通りなのです。

木を切るたびに森が破壊され、泣いているのです。


しかし。

日本の森はどうなのでしょうか?

じつは、日本の森は(人工林)と言って、「木を植える」「木を育てる」「木を切る」という作業を

すべて人間の手で行う森がとても多いのです。

そして、戦後は特に木材の需要が見込まれて、たくさんの木が植えられ、人工林が造られました。

でも、人工林では木が成長すると、森に日光が入るようにするため、適度に木を切り取るお手入れを

しなければなりません。これが「間伐」という作業です。

この間伐をせず放置すると、土壌(山の地面)が弱くなり、少しの雨でも山の土砂が流れ出す

土砂災害などが発生しやすくなります。

災害の起こりやすい、保水力も弱い森になっていくのです。



人間の手で造られた人工林は、人間によるお手入れ「間伐」が必要なのです。

しかし、戦後の木材需要が一気に高まったため、これに木の成長や伐採が間に合わず

木材の輸入が自由化となりました。

このため現在では木材需要の80%以上が外国から輸入されたもので占められています。

そして、この輸入が諸外国の原生林を痛めつけ、そして日本の森が放置されるという

とても矛盾した結果を生み出すことになったのです。


原生林伐採今の日本の森は、日本の木材需要の8割以上をまかなえるほどに

たくさんの木が成長しています。

そして、森が人間の手によってお手入れされ、健康な森に戻れる時を待っているのです。


では、国産の木ならどれでも良いのでしょうか?

実は家づくりにおいて、木を選ぶときに大切なポイントがあります。


それは「木の産地」です。


家づくりにおいて、使用する木が育った森から100km以内の地域で使用することが

理想的といわれています。

なぜなら、木は生まれ育った山とは全く違う湿度・暑さ・寒さの場所で使用すると

木がその環境の変化についていけなくなってしまうからなのです。

例え切って加工した後の木であっても、その木が何十年もかけて育った地域で使うのが

木にとってベストなんですね!

まさに地域のものを地域で消費する「地産地消」の理念ともマッチします。


だから私たちは、この100kmにこだわって、国産の木を選んでいます。

間伐の現状を勉強しに、山に登ったこともあります。

山を管理されている組合の方たちの熱い訴えが伝わってきました。

杉の森

みんなが自分の地域の木を使えば、地元地域の森は元気になる。

世界の森も元気になる。

そして住む人も健康に暮らせる丈夫な家が建つ。


簡単なことだけれど、一人ひとりが考えて行動しなければ広がらないのです。

私たちは、今、その「ひとり」として活動しています。

もっとたくさんの方に、日本の木の良さを、地元の木の良さを知っていただけるように

国産の無垢の木を使った家づくりを続けていきます!


家作り